英語会話 theの有無でこんなに違う!?

今日、太郎君が取引先の外資系企業の担当者に電話で連絡した時のこと。同僚のアメリカ人が電話に出て、こう言いました。

He left office.

そこで太郎君は「彼は何時頃にお戻りになりますか?」と尋ねたところ、そのアメリカ人から「彼はうちの会社を辞めたのでもう戻ることはないですよ」という返事が・・

えっ、He left office.って、「オフィスを出た」という意味じゃないの? 太郎君は頭が混乱してしまいました。一体どこが間違っていたのでしょうか?

officeは普通「事務所、会社」などの意味で用いられます。しかし他に「政府や組織内での重要な役職」という意味もあります。そしてこの場合は無冠詞で用いられることが多いのです。

そのためHe left the office.は、「彼は会社を出た」という意味になりますが、He left office.では、「彼は会社を辞めた」という意味になるのです。

この2つは、単に名詞の前に冠詞の「the」があるかないかの違いだけですが、実際の意味はこんなに変わってくるのですね。

特定の人が会社や組織に在職しているかどうかを表す表現としては、次のような言い方もあります。

be in office「在職している・在職中」

be out of office「在職していない・退職している」

ちなみに、① the school ② school のニュアンスの違いはわかりますか?

①は「学校の建物、制度としての学校、学校の全校生徒」を表し、②は「授業、学校生活」を表します。

そのため「学校はおもしろい?」と子供に聞くときは、How do you like school?と無冠詞で表します。

昔の話ですが、生徒が英作文で、go to school ではなく go to the school と間違って書いているのをよく見ましたが、この2つでは意味がだいぶ変わってきますね。