日本語の由来 あいさつ編 ①

私たちは日常生活の中で、朝起きて家族と顔を合わせたら最初に「おはよう」と言いますね。朝食を食べる前には「いただきます」、食事が終わったら「ごちそうさま」と言います。

「おはよう」には、もとは「お早いお出かけですね」とか「お早くからお働きですね」などのように、何かをするために早く起きたことをほめる意味がありました。この「お早く」が転じて「おはよう」という朝のあいさつになったそうです。

「いただきます」は漢字では「頂きます」と書きます。「頂」は山の最も高いところという意味で、人間なら頭にあたります。昔は目上の人から物を与えられるときや神仏に供えた食べ物を口にするときには、一度それらを自分の頭の上に掲げる動作をした後に受け取ったり食べたりしました。そこから中世以降に食事をいただく際のあいさつになったようです。

したがって、「いただきます」と言うときには、頭を下げて食べ物が頭上に来るようにするのが本来の正しい動作ということになりますが、現在では食事の前にそのようにしている人はほとんどいませんね。

「ごちそうさま」の「ちそう」は漢字では「馳走」と書きます。主人がお客様のために馬を走らせて食材を集めたところから来た言葉です。そこに「おもてなし」の意味が含まれるようになると、その努力に感謝する気持ちから食後のあいさつとして「ごちそうさま」と言うようになったそうです。