恵方巻を全国に広めたのはコンビニチェーン!?

もうすぐ節分ですね。『鬼はそと~福はうち♪』と歌いながら鬼のお面をかぶった鬼役の人(お父さんが多い)に豆を投げます。子供の頃に誰もが経験する行事です。その年の恵方の方角を向いて家族みんなで「恵方巻」を食べるのも楽しみですね。

恵方巻とは節分の日に食べる太巻き寿司のことで、その年の恵方(幸運とされる方角)に向かって、黙々と食べるのが作法とされています。恵方巻には七福神にあやかって7種類の具材を入れます。

恵方とは、その年の金運や幸福をつかさどる「歳徳神(としとくじん)」という神様がいる方角で、その方角を向いて何かをすると幸運が舞い込むという言い伝えがあります。恵方は毎年変わり今年は西南西になります。

恵方巻を食べるときは、①食べている時にはよそ見をせずにその年の恵方を向き続ける。②途中で誰かと話したりせず、黙々と食べる。③途中で食べるのをやめずに最後まで一気に食べきる。の3つの決まりがあります。

もし恵方巻を食べている途中で誰かと話したり食べるのをやめたりすると、幸運が逃げるとされているので、ご利益を得るためにもこれらの決まりを守って食べましょう。

ところで節分の日に恵方巻を食べる習慣はいつから始まったのでしょうか? 意外なことにそれほど古くはなく、江戸時代後期から明治時代にかけて、節分の日に商売繁盛や無病息災を祈るために大阪商人たちの間で始められた習慣だと言われています。

したがって最初は大阪を中心とする関西地方で行われていた習慣でした。恵方巻と言う呼び名もまだなく「丸かぶり寿司」「幸福巻」「開運巻き寿司」「幸運巻き寿司」など様々でした。

つまり近年(平成初期)まで、節分の日に恵方巻を食べるのは関西~西日本の一部地域の習慣だったのです。東日本に住む人で、子どもの頃に節分の豆まきはしても、恵方巻などは食べなかったという人が多いのはこうした理由からです。

恵方巻が全国に広がったきっかけは、1989年に大手コンビニチェーンのセブンイレブンが節分の日に食べる太巻き寿司の販売を開始したことです。この太巻き寿司が広島県で恵方巻きと名付けられ販売されたことが、今日の呼び名の由来と言われています。

この後、コンビニ以外のスーパーやデパートでも恵方巻が販売されるようになると、節分の日に恵方巻きを食べる習慣が全国各地に広がっていきました。現在は節分の日に恵方巻を食べることは広く一般的になっています。

ちなみに今年の節分の日は2月2日の日曜日なので注意しましょう。今年の恵方は「西南西」になります。