12月も後半に入りました。もうすぐクリスマスですね。クリスマスケーキやクリスマスプレゼントを楽しみにしている人も多いと思います。
クリスマスに欠かせない人物と言えばサンタクロースですね。サンタクロースを単なる想像上の人物と思っている人もいるかもしれませんが、モデルとなった人がいます。
サンタクロースのモデルは4世紀頃に東ローマ帝国でキリスト教の司教をつとめていた「聖(セント)・ニコラウス」という人物で、貧しい人々を助けるために夜中に困っている人の家の煙突からこっそりと金貨を投げ入れていたという伝説があります。
サンタクロースが夜中にプレゼントを渡すために煙突から入ってくるのもこの伝説が元になっていて、現在のサンタクロースという呼び名も「セント・ニコラウス」という名前が変化したものだと言われています。
ところで、サンタクロースと言えば赤い衣装、白いひげ、太ったおじいさんというのが一般的ですが、意外なことにこのビジュアルが定着したのは19世紀以降のことです。
今のサンタクロースのイメージが決まったきっかけは1822年、神学者のクレメント・ムーアが書いた「聖ニコラウスの訪問」という詩です。この詩の中でムーアは、トナカイのそりに乗り、子供たちにプレゼントを届けるというサンタクロースを創作しました。
この詩が本になり出版されると挿絵にサンタクロースが描かれるようになりましたが、サンタクロースのビジュアルは国や地域で大きく異なり、現在のように世界共通の統一されたイメージではなかったようです。
今のような赤い衣装、白いひげ、太ったおじいさんというサンタクロースのビジュアルが世界的に認知されるきっかけとなったのが、アメリカのコカ・コーラ社の広告です。
1931年、コカ・コーラ社のクリスマスキャンペーン用に、広告デザイナーのハッドン・サンドブロムが制作した広告で、赤い服を着て、白髭で陽気な微笑を浮かべたサンタクロースがコカ・コーラを飲んでいる様子を描いたところ、大評判となり現在のサンタクロースのビジュアルが定着したとされます。
そしてコカ・コーラの世界進出に伴って、コカ・コーラのロゴの色である赤色と、サンタクロースの赤い衣装のビジュアルなイメージが全世界に広がっていったと言われています。