ここ最近、毎日のようにテレビなどで「ブラックフライデー」の大幅値引きセールのCMが流れていますね。ブラックフライデーとはアメリカで始まった商習慣で、この日には自分が欲しいものが破格に安い値段で販売される、年に一度の特別大バーゲンのようなものです。
ハロウィンとクリスマスの間の11月、その第4木曜日にアメリカ人にとって特別な休日があります。それが感謝祭です。ブラックフライデーは、その感謝祭の翌日の金曜日に小売業者が商品を特別価格で販売することにより、クリスマス商戦に向けた顧客の囲い込みと店の売上アップにつなげるために始まったとされています。
ところで、欲しかった商品が安く手に入り、みんながハッピーになれる日なのに、どうして「ブラック」という名が付いているのか不思議に思ったことはありませんか?
ブラック企業、暗黒○○という言葉からわかる通り、一般的に「ブラック」という言葉が与えるイメージはあまり良いものとは言えません。これはアメリカ人にとっても同じです。不思議ですよね。でも実は「ブラックフライデー」という呼称はもともと別の意味で使われていたのです。
1961年、フィラデルフィアの警察官たちが、感謝祭の翌日の金曜日には多くの買い物客が押し寄せ、店の外にあふれて交通整理や道案内などの余計な仕事が増えて困るという状況を自嘲的な意味を込めて「ブラックフライデー」と呼んだのが始まりとされています。つまり最初は警察官にとっての「暗黒の金曜日」だったわけです。
その後、この言葉は徐々に広まり、感謝祭翌日の金曜日の大安売りの日を「ブラックフライデー」と呼ぶようになりました。しかしブラックという言葉はネガティブなイメージが強いため、小売業者はこの言葉を大安売りの日を表す用語として積極的に使おうとはしませんでした。
ところが1981年、フィラデルフィアの新聞が「多くの買い物客が集まり、小売業者が儲かって黒字になる日」という新しい解釈を発表すると、それから「ブラックフライデー」という言葉が広く使われるようになったそうです。
ちなみに今年のブラックフライデー当日は11月29日の金曜日です。