「どっこいしょ」は仏教から来た言葉!?

皆さんは、重いものを持ったり、腰を下ろして休むとき、立ち上がるときなどに、体に少し力を入れたりしますね。その時、何気なく「どっこいしょ」という掛け声が自然に出ることはないでしょうか?

この言葉を使うようになったら歳を取った証拠とも言われますが、なぜ体に力を入れるときに「どっこいしょ」と言うのか不思議に思ったことはありませんか。そもそもこの言葉はどこから来たのでしょうか。

諸説ありますが、「どっこいしょ」は仏教の言葉から来たという説があります。それによると「どっこいしょ」は仏教用語である「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」が語源だとされています。

昔、修行僧が山登りの修業の際、「六根清浄、お山は晴天」と掛け声をかけながら登っていました。六根とは眼根、耳根、鼻根、舌根、身根、意根の6つの感覚のことを指し、人はこの6つの感覚により煩悩に苦しむことから、六根を清らかにして苦しみから離れ、清らかな存在である六根清浄を目指すために修行するとされていました。

これはつまり不浄なものを見ない、聞かない、嗅がない、味わわない、触れない、考えないようにするため、「六根清浄」と唱えることで、『目』 『耳』 『鼻』 『舌』 『身』『意(こころ)』を清らかにして山を登りましょう、という意味があるそうです。

でも修行僧たちが疲れてくると、周囲の人には「六根清浄」という掛け声が「どっこいしょ」と聞こえたそうです。これがいつの間にか、ひと休みをするときになまって「どっこいしょ」と言うようになったそうです。

ちなみに、「どっこいしょ」の語源には、ヘブライ語を由来とする説もあるそうです。私たちが普段使っている何気ない言葉にも、さまざまな由来があるのは興味深いですね。