友達と遊ぶため、嘘をついて塾に行かなかった。そんな時に使う表現が「塾をサボる」という言葉です。字をよくみると何か気が付きませんか? 「サボ」がカタカナで書かれていますね。
「サボ」はフランス語のサボタージュ(仕事を怠けること)という言葉を短くしたものです。これに「る」がついて「サボる」という言葉ができました。日常でよく使う表現が、もとはフランス語からきた言葉だったとは少し驚きですね。
日本語では、このように「名詞+る」という形で、新しい言葉が次々に生み出されてきました。「ミスる」「愚痴る」「パニクる」「トラブる」などはよく聞きますね。日常会話の中で使っている人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、これらは俗語といって正式には認められていない言葉です。したがって文章を書くときに使う表現、つまり書き言葉としては適当ではありません。作文の中でいわゆる俗語を使って先生から注意されたなんて経験のある人も多いでしょう。
ところが「名詞+る」でも、すでに認められている言葉もあります。たとえば「くもる(曇る)」。これは「雲」という名詞に「る」がついて出来た言葉とされています。今ではこの言葉を「俗語だ!」という人はいませんよね。
俗語でも、時間をかけて、その言葉を多くの人が使い続けていけば、いつか正式な言葉として認められるかもしれません。したがって「ミスる」「パニクる」「トラブる」などの俗語も、何十年か後には書き言葉として認められるようになるかもしれませんね。