サッカーとラグビーはもともと同じ競技だった!?

最近、ワールドカップで盛り上がっているサッカー。今日、日本はヨーロッパの強豪国スペインに逆転勝利しましたね。試合を見ていてすごく感動しました。日本も決勝トーナメントに勝ち抜いて、ぜひともベスト8に入ってほしいと思います。

ところで、サッカーとラグビーはもとは同じ競技だったと言うと、意外に思うかもしれませんね。サッカーもラグビーもイギリスが発祥のスポーツですが、もともとは中世イングランドの農村で行われていた「フットボール」という競技が起源だと言われています。

このフットボールという競技は牛や豚の膀胱をふくらませたボールを相手の陣地に運ぶことを競うゲームで、手を使ってボールを投げたり、手で持って走ることも認められていました。この頃は相手チームに勝つことが目的ではなく、地域の共同体の中での「お祭り」のような形で行われていたようです。

19世紀になると、フットボールはイングランドの名門中等教育機関であるパブリックスクールで、学生教育の一環としてプレイされるようになります。チーム人数や試合時間、コートの広さなどのルールも次第に整備され、相手チームに勝利することが競技の目的となり、近代スポーツに近づいていきます。

やがてフットボールはパブリックスクールを卒業した学生たちにより、大学でもプレイされるようになりますが、困ったことに当時は統一したルールがなく、学生の出身校によってルールがバラバラでした。

当時ケンブリッジ大学で盛んだった「ラグビー校流フットボール」は、ボールを脇に抱えて走っていくというルールだったのに対し、「イートン校流フットボール」は手を使わずボールを足で蹴るというルールでした。

そこで1848年に「ケンブリッジ・ルール」が定められ、イートン校流フットボールのルール(足でボールを蹴る)が採用されます。1863年にはフットボールアソシエーション(FA=サッカー協会)という団体が設立され、現代サッカーの基本的ルールが定められました。

一方、ラグビー校流フットボールを主張する学生達がこれに反発。FAには加盟せず、1871年に「ラグビー・ユニオン」という団体を設立します。

こうして、フットボールは「サッカー」と「ラグビー」に分かれ、それぞれ独自に発展していきます。イートン校流フットボールが現代サッカーの、ラグビー校流フットボールが現代ラグビーの原型になったと言えます。

ちなみに「サッカー」という言葉を使うのは日本とアメリカくらいで、世界のほとんどの国では「サッカー」のことを「フットボール」と呼ぶそうです。