日本語では、ものを数えるときには数字のあとに言葉を添えます。たとえば鉛筆は「一本、二本」、本なら「一冊、二冊」、自動車なら「一台、二台」と数えますね。
この数字のあとに添える「本」、「冊」、「台」などの言葉を「助数詞」と言います。助数詞は数える対象が何かによってほぼ決まっています。
動物の例でみると、ウシを数えるときは「一頭、二頭」ですが、ネコは「一匹、二匹」です。イヌのように「頭」も「匹」も両方使える動物もありますが、大まかに分けると、人よりも大きな動物は「頭」、小さな動物は「匹」が助数詞として使われます。
では、ウサギはどのように数えますか。小さな動物なので「一匹、二匹」でしょうか? これも間違いではありませんが、正式には「一羽、二羽」と数えます。「羽」は鳥を数えるときに使う助数詞ですが、なぜ鳥ではないウサギに使われるのでしょうか?
一説には、仏教的な理由から四本足の動物の肉を食べることが禁止されていた江戸時代に、ウサギの肉を食べるために「これは鳥だ」と言い張ったことから、「羽」で数えるようになったと言われています。
ウサギの肉を食べたい、という人々の思いがウサギの数え方を決めてしまったとは、面白いですね。