日本語の由来 家族編①

日本では子供が自分の両親を呼ぶとき、「パパ」「ママ」と言う人もいますが、多くは「おとうさん」「おかあさん」と呼びますね。

「おとうさん」の「とう」は日本固有の古い言葉で「尊い(とうとい)」という意味です。尊い人なので「ととさま」となり、「おととさま」⇒「おとうさん」と呼び方が変化してきました。

「おかあさん」は諸説ありますが、昔、武家の妻や母を「御方様(おかたさま)」と呼んでいたことからきています。「御方様」を夫が「かたさま」と呼んだことから、「かかさま」⇒「かあさん」と呼ぶようになりました。「おとうさん」「おかあさん」が一般的になったのは、この呼び方が明治時代の国定教科書に採用されたことがきっかけです。

反対に、親は自分の子供を「むすこ」「むすめ」と呼びますが、これはどこからきているのでしょうか。「むすこ」「むすめ」の「むす」は、「生まれる」「発生する」を意味する「生(む)す」「産(う)む」からきています。古い日本語では、「こ」は男性を、「め」は女性を指したことから、自分の産んだ男の子を「むすこ」、女の子を「むすめ」と呼ぶようになりました。

ちなみに「おとこ」「おんな」はどうでしょうか。古い日本語では「おとこ」は「をと+こ」から成っており、「をと」は「若い」を、「こ」は男性を意味することから、若い男性を意味する言葉として使われていました。それが次第に男性一般を指すようになりました。

一方、「おんな」は奈良時代には「をみな」と言われていました。「を」は「小さいもの」を「み」は女性を意味します。それが平安時代に「をんな」と変化して少女を意味する言葉になり、次第に女性一般を指すようになったそうです。