大坂なおみ選手の活躍で盛り上がっているテニス。相手選手に2ポイント以上の差をつけて、先に4ポイントとると1ゲームを獲得できます。変わっているのは得点の数え方で、1点ずつではなく、「0(ラブ)、15(フィフティーン)、30(サーティ)、40(フォーティ)と数えていきます。
野球やサッカーなどの多くのスポーツでは得点の数え方は1点ずつなのに、どうしてこのような数え方になったのでしょうか?
これにはいくつか説があります。テニスはもともとフランス発祥とされており、11世紀頃にフランスの修道院で修行僧たちが行なっていた「ジュ・ド・ポーム」という球を打ち合うゲームがその原型だと言われています。
テニスを漢字表記すると「庭球」と書きますね。これは修行僧たちが修道院の中庭などでゲームを楽しんでいたことに由来するそうです。
やがてこれは17世紀になるとフランスやイギリスで貴族や一般市民にも広まり、現在のテニスに発展したとされています。
ところで、テニスが生まれた頃の修道院での生活は15分刻みで、この15分というのが修行僧たちの日々の生活に強く影響しており、それがテニスの点数の数え方に結びついたという説があります。
また、当時ゲームをする際にはコート脇に大きな時計を置いてスコアボードのかわりをさせていたからという説もあります。時計の文字盤を4つに分け、1ポイントを取ると時計の針を90度ずつ進めていくと「0 ⇒ 15⇒ 30 ⇒ 45」となり、4ポイント取って1周回るとゲームセットとなります。
そうなると30の次は45になるはずですが、これはもともと45(フォーティファイブ)が長くて言いにくかったため、40(フォーティ)に省略されたという説が有力です。あるいは、キリスト教の修行日数が40日間で、聖書にも40という数字がよく登場するからだという説もあります。
では、0はなぜ「ラブ」と呼ばれるのでしょうか。フランスでは0が卵の形に似ているため、0を「ルフ(卵)」と言っていたのが変化してラブになったという説が一般的です。あるいは、もともと英語の「Love」には「何もない」という意味があったためだとも言われています。選手の得点が何もないところからゲームが始まるという意味で「0 = ラブ」となったのかもしれませんね。