サッカーで同じ選手が3得点することをどうして「ハットトリック」と言うのか?

野球に負けず劣らず人気のあるスポーツと言えばサッカーですね。サッカーでは1人の選手が1試合に3ゴール(3得点)を決めることを「ハットトリック」と言います。なぜ3点だと特別扱いされるのでしょうか?また「帽子」と何か関係があるのでしょうか?

実はこの言葉、もともとはイギリス発祥のクリケットというスポーツの用語なのです。これは野球の原型のような競技で、投手がボールを投げて打者と勝負をする。そのとき打者を3者連続でアウトにすると、その素晴らしい投球を讃えて投手に記念の帽子が贈られたことに由来します。なぜならクリケットでは投手が打者を3連続でアウトにすることは実はかなり難しいことなのです。

つまり、帽子(ハット)を贈るに値する技(トリック)ということで「ハットトリック」という言葉が広まったそうです。すると、同じくイギリス発祥のサッカーでも、1試合にゴールを3回も決めた選手をたたえる意味でこの言葉が用いられるようになりました。このハットトリックという言葉は、サッカーだけではなくアイスホッケーやラグビーなどのスポーツでも用いられています。

また1ゲームで1人の選手が6得点した場合はダブルハットトリック、9得点した場合はトリプルハットトリックと言いますが、これらはサッカーの試合では滅多に起きないことなので、もし達成すればギネスブックに載るくらいの快挙になります。

ちなみに、古典的な手品(マジック)で、シルクハットの中からハトやウサギなどを取り出す芸も「ハットトリック」と言うそうです。いずれにしても、それくらい驚きの技ということですね。